こんにちは。今日は、私自身の体験についてお話ししようと思います。
私は15,6歳のころからずっと「睡眠障害」に悩まされてきました。眠りたいのに眠れない。明日は早起きしなきゃ…そう思えば思うほど緊張して、頭が冴えていく。そんな夜を10代から何年も繰り返してきました。
もくじ
眠れなくなったきっかけ
私はもともと不安を感じやすい性格で、また、早起きが苦手でした。だから、何か特別なことのある日の前日は眠れないことがよくありました。
明確なきっかけになったのは当時していたアルバイト先からの早朝の連絡でした。アルバイト先が人手不足で、当日の朝、スタッフの欠席があると私のところによく「今日出勤できますか?」と電話がかかってきました。休日の予定といっても友達と遊ぶことくらいだったので、特に断る理由にはならず、渋々と出勤することが何度かありました。出勤したらしたで給料が増えますし、そこまでストレスに感じていた意識はなかったのですが、だんだんと「また早朝に電話が来て、休みがなくなるかも…」という思いに脳が支配されていき、焦りと不安から眠りが浅く、早朝覚醒してしまうようになりました。
これは、そのアルバイトを辞めた後も改善することはなく、早起きしなければならない日は目覚ましの数時間前に目が覚めてしまうことが続きました。そのうち、それが“習慣”のようになってしまい、いつでも「寝られないかもしれない」という不安が頭をよぎるようになりました。
睡眠薬を処方されたことも。
眠れない日々に限界がきた22歳のとき、精神科を受診して、デエビゴ(レンボレキサント)という睡眠薬を処方されました。
▶ デエビゴとは?
デエビゴは、「オレキシン」という覚醒を促す脳内物質の働きをブロックして、自然な眠りをサポートする比較的新しい薬です。従来の睡眠薬に比べて依存性が低いと言われており、就寝時の不安や興奮を和らげてくれます。
しかし、私には副作用が強く出てしまいました。特に苦しかったのは眠りに落ちる直前の耳鳴りと金縛り。もともと金縛り体質だったので金縛りに慣れてはいましたが、耳鳴りがひどく辛かったです。また翌日の日中の眠気も強く、何度かバイト中に眠ってしまったこともあり、服薬を断念しました。
「眠れなくても大丈夫」という自分なりの気づき
そこから私は、「薬に頼らない方法で、なんとか乗り越えたい」と思うようになりました。いろいろなことを試して、たくさんの失敗をしながらも、少しずつわかってきたことがあります。
その中で、一番の転機になったのは、「眠れなくても死ぬわけじゃない」と自分で気づいたことでした。「死ぬ」なんて大げさな表現に感じるかもしれませんが、極論が私を救ってくれました。
一晩眠れなかったって、次の日が少し眠くなるだけで、死ぬわけじゃない。そんなふうに思えたことで、すぐにではありませんが、数か月時間をかけて夜が怖くなくなってきたのです。
私が眠れるようになった「5つの工夫」
ここからは、今の私が実際に取り入れている、眠るための工夫をご紹介します。どれもシンプルですが、習慣にすることで確実に効果がありました。
🌙 ①「眠れなくても別に問題ない」と思うようにする
これは先ほど説明したとおりですが、寝なきゃ寝なきゃと焦るより、「眠れなくても大丈夫」と気持ちをゆるめた方が、結果的に眠りやすくなります。
🧠 ② 寝る前は仕事や明日の予定を考えない
寝る前に考え事をすることが癖になっている人は多いのではないでしょうか。布団の中で考えごとを始めると、脳がどんどん覚醒してしまいますよね。私は、考えごとが浮かんできたら「考えない!」と意識的に声に出すようにしています。もともとネガティブな所があるので、考えないなんて無理と思っていましたが、これ、習慣にすると本当に考えなくなりました。特に寝る前2時間は嫌なこと(仕事や嫌いな人のこと)を考えないようにします。
💨 ③ 息をしっかり「吐く」
眠れないな…と思った時に、自分の呼吸に意識を向けるととても浅く呼吸していることに気付きます。
深呼吸というと「吸う」に意識が向きがちですが、「ゆっくり吐く」ことがとても大事。「吸って、止めて、吐く」一連の流れを秒数を意識して行う呼吸法もありますが、私の場合は秒数までは意識せず、ゆっくりしっかり吐くことを大切にしています。
📵 ④ スマホを枕元に置かない
少し前に、スマートフォンが机の上や視界に入る場所にあるだけで、集中力や注意力が下がるという実験があることを知りました。実験では、ワーキングメモリのテスト成績が実際に低下し、特にスマホ依存度の高い人ほど影響が大きかったそうです。(Ward et al., 2017, Journal of the Association for Consumer Research)もちろんこれは睡眠と関連した話ではありませんが、寝る時も枕元にあるとなんとなく気になってしまっている気がして、最近は少し離れたところに置いています。
🍽️ ⑤ 寝る2時間前には何も食べない
夜遅い食事は、消化のために体が活動してしまい眠りが浅くなると実感。眠れなかった頃は、空腹に意識がいってしまい食生活も乱れていて、夜遅くにコンビニに行ったり、インスタントラーメンを食べてしまっていました。今は21時以降は何も食べないようにしています。
睡眠とうまく付き合えるようになった今
今でも、たまに眠れない夜はあります。でも、自分なりの解説策を実践している結果、以前のように「眠れない…どうしよう」と落ち込むことはなくなりました。睡眠に限ったことではありませんが、知識は自分を救ってくれるなぁとつくづく思います。
私の場合は軽度の睡眠障害だったので、対策方法を見つけてから比較的早く改善しましたが、できることをしても一向に改善しない場合は躊躇することなく医療に頼って欲しいと思います。






