
双極性障害を抱えながら妊娠・出産を経験した人たちの声は、当事者にとって非常に貴重な情報源です。今回は、実際の体験談を中心に、妊娠中や出産後に直面する可能性のある課題や注意点についてまとめました。本文では医学的助言ではなく、あくまで当事者の経験に基づく情報として整理しています。
もくじ
妊娠・出産を考えるときの一般的なリスク
双極性障害を持つ人が妊娠・出産を考える場合、いくつか共通して語られるリスクがあります。以下は体験談や専門文献から整理したものです。
① 薬の調整と再発リスク
妊娠中に薬を継続するか中止するかは、多くの当事者が悩むポイントです。妊娠初期には胎児への影響を考えて減薬や中止を選ぶ人もいますが、これは一方で躁転や抑うつの再発リスクを伴います。体験談の中でも「薬の調整によって気分が不安定になった」という声が少なくありません。
② 産後うつ・産褥期のリスク
出産後はホルモン変動や生活リズムの変化により、産後うつや産褥精神病のリスクが高まることが知られています。多くの当事者が「産後は特に気分の波が激しかった」と報告しており、周囲のサポートが不可欠であることが共通のポイントです。
③ 周囲のサポート体制
妊娠・出産に伴う不安や症状の再発に対して、パートナーや家族、医療機関などの支援体制が重要です。体験談では、「一人で抱え込まず、助けを求めたことで乗り越えられた」といった声が多く見られます。
当事者の体験談紹介
ここからは、実際の体験談記事を紹介します。それぞれのリンク先では、妊娠・出産を通して感じた喜びや葛藤など、リアルな声が綴られています。
👉 躁うつママのひとやすみ。
妊娠・出産を通しての心の波や育児への向き合い方が丁寧に描かれています。
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👉 初めてがいっぱい〜旅行編〜と妊娠記録
双極性障害を抱えながらの日常の中で、妊娠・出産までの道のりが記録されています。
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👉 うつ病の薬を飲みながら、妊娠・出産した話
薬との付き合いや医師との連携の実際が、体験談としてリアルに綴られています。
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👉 双極性障害と出産
産後の気持ちの揺れやサポート体制の重要性についての実体験が共有されています。
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まとめとポイント
- 双極性障害と妊娠・出産に絶対的な正解はありません。
- 薬の調整や再発リスク、産後のサポート体制は特に注意が必要です。
- 体験談を参考にしながら、信頼できる医療機関と連携することが安全な妊娠・出産への第一歩です。
参考文献・参考サイト
- Viguera AC et al. (2007). Risk of recurrence in women with bipolar disorder during pregnancy: prospective study of mood stabilizer discontinuation. Am J Psychiatry. 164(12):1817-24.
- Galbally M et al. (2018). Bipolar disorder and pregnancy: a review of the evidence. Aust N Z J Psychiatry. 52(2): 103–118.
- 日本精神神経学会「妊娠・出産と精神疾患」
※当サイトの記事は、双極性障害などの体験談・経験に基づいて執筆されたものです。
記事内容は医学的な診断や治療を目的とするものではなく、自己判断の材料として用いることはお控えください。
症状に関しては必ず医療機関・専門医にご相談ください。

