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双極性障害の『躁』と食欲の変化|食べられなくなったのは躁状態のサイン?

双極性障害の「躁」と食欲の変化|食べられなくなったのは躁状態のサイン?

「最近あまり食べなくても平気」
「食欲はあまりないけど元気」
「むしろ活動的で調子が良い気がする」

こんな状態に心当たりはないでしょうか。

食欲低下というと、うつ状態の症状として語られることが多いものです。

 

しかし、双極性障害では躁状態や軽躁状態のときにも食欲が減退することがあります。

 

この記事では、双極性障害と食欲の関係について、医学的な知見と当事者の体験の両面から解説します。

1. 双極性障害では食欲は増えることも減ることもある

まず知っておきたいのは、双極性障害の食欲変化は人によって大きく異なるということです。

米国国立精神衛生研究所(NIMH)では、躁状態の特徴として「食べ物や飲酒、性行為など快楽への欲求が高まること」を挙げています。一方で、うつ状態では食欲の増加または減少がみられることがあります。

つまり、教科書的には躁状態では欲求全般が高まりやすいとされています。

 

しかし実際には、「躁になると食欲がなくなる」という人も少なくありません。これは診断基準の中心症状ではないものの、多くの当事者が経験している変化として知られています。食欲の変化は必ずしも「増える」「減る」のどちらか一方ではなく、その人特有のパターンとして現れることが多いのです。

2. なぜ躁状態で食欲が減ることがあるのか

躁状態でひらめく人

躁状態や軽躁状態では、脳が非常に活性化した状態になります。

考えが次々と浮かび、やりたいことが増え、睡眠時間も短くなりがちです。
NIMHでも躁状態の代表的な症状として「睡眠欲求の低下」が挙げられています。

食欲低下も、この「欲求の変化」の一部として説明できる場合があります。何かに集中しすぎて食事どころではなかったり、活動量が増えすぎて空腹感に気づかなかったりするのです。

また、当事者コミュニティでは「食べるより他のことに興味が向く」「食事が面倒になる」「食べなくてもエネルギーが湧いてくる感覚がある」といった声が数多く見られます。
軽躁状態のサインとして『食欲が急になくなる』ことを挙げる人も少なくありません。

もちろん、これだけで躁状態と断定はできません。
しかし、「元気なのに食欲がない」という状態は、双極性障害の人にとって気分変動を把握するヒントになる可能性があります。

3. 「食欲低下=軽躁のサイン」になる人もいる

双極性障害では、自分だけの前兆サインを知ることが再発予防に役立つとされています。

ある人は睡眠時間の短縮がサインになりますし、別の人は買い物が増えることがサインになります。
そして人によっては、食欲低下が最初の変化として現れることがあります。

たとえば、「普段の半分しか食べていないのに平気」「好きな食べ物にもあまり興味が湧かない」「体重が急に落ち始めた」という変化が、後から振り返ると軽躁状態の始まりだったというケースもあります。実際に当事者の体験談では、「食欲がなくなったことで軽躁に気づける」という声が繰り返し見られます。

躁状態と食欲の変化に関連が見られる方は、日記などの記録に食欲レベルを残すのも良いかもしれません。

 

4. 食欲だけで判断せず、他の症状も合わせて見ることが大切

ただし、食欲低下だけで躁状態や軽躁状態を判断するのは危険です。

食欲はストレス、胃腸の不調、季節の変化、薬の副作用などさまざまな要因で変動します。また、双極性障害のうつ状態でも食欲が減ることは珍しくありません。

そのため、以下のような変化が同時に起きていないか確認することが重要です。

・睡眠時間が短くなっている
・活動量が増えている
・考えが次々と浮かぶ
・話す量が増える
・お金を使いやすくなる
・自信が過剰になる

こうした変化と食欲低下が重なっている場合は、軽躁状態の可能性を考える材料になります。NIMHでも、躁状態は気分だけでなく活動量や睡眠、行動の変化を含めて判断すると説明されています。

5. 食欲の変化を記録すると気分の波が見えやすくなる

双極性障害のセルフモニタリングでは、睡眠や気分だけでなく、食欲も記録対象にすると役立つことがあります。

毎日、「食欲あり・普通・なし」程度の簡単な記録でも構いません。睡眠時間や気分評価と並べて見ると、「食欲が落ち始めると数日後に軽躁になる」「過食が続くとうつ状態が近い」といった自分なりの傾向が見つかることがあります。

特に双極性障害は、自覚症状だけでは気分変動に気づきにくい病気です。客観的な記録を残しておくことで、主治医との相談もしやすくなります。

まとめ

双極性障害では、食欲は増えることも減ることもあります。

一般的な説明では躁状態で欲求が高まることが知られていますが、実際には「元気なのに食欲がなくなる」「食べることを忘れて趣味や仕事に没頭する」という形で現れる人も少なくありません。

もしあなたが「最近あまり食べていないのに平気だな」と感じているなら、それは単なる食欲不振ではなく、自分にとっての軽躁状態のサインかもしれません。睡眠や活動量など他の変化と合わせて観察し、自分だけの気分変動パターンを知ることが、双極性障害とうまく付き合う第一歩になります。

 

関連する体験談の紹介

実際に双極性障害と食欲の関係について記録されている方のブログ記事を2本ご紹介します。

👉 私の双極生活 食事・躁状態編③
躁状態のときの食欲や食事のコントロールについて、具体的な体験をもとに記録されています。
記事を読む

👉 食欲と躁と鬱
躁のとき・うつのとき、それぞれで食欲がどう変化するのかを、実際の心の動きとともに綴られています。
記事を読む

※当サイトの記事は、双極性障害などの体験談・経験に基づいて執筆されたものです。
記事内容は医学的な診断や治療を目的とするものではなく、自己判断の材料として用いることはお控えください。
症状に関しては必ず医療機関・専門医にご相談ください。

参考文献・参考サイト

 

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