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不登校から大学合格までの道のり
留年を乗り越え、1年で高卒認定→大学合格を達成した私の受験生活。
同級生が高校を卒業した春、本来ならば皆と同じように高校卒業を迎えていたはずの私は、定時制と通信制で合わせて3度の高校1年生を経験して、初めて高校2年生に進級できたのでした。(どういう状況!?笑)

ですが、そのわずか1年後、大学の合格発表にドキドキしながら過ごすことになるとは…。

なぜ大学受験を決めたのか

正直なところ、明確なきっかけは思い出せません。ですが、不登校という問題に中学生の頃からずっと関心を持っていたのは確かで、どうすれば現在・未来の不登校の子どもたちに希望を与えられるか、と考えた時に真っ先に思いついたのが大学進学することでした。まずは自分自身が、不登校から社会的自立の前例を1つくるために行動することを決めました。
今となっては、大学に行けば良いというものではないし、他にも色々な選択肢があっただろうと思うのですが、18歳の頃の私が考え付いた、分かりやすい行動の形が大学受験だったのです。

そこで、あと2年も高校生をしている暇はない!と思い至り、1年後の大学受験を決めました。

入塾面談で「1年後受験は厳しい」と言われるが

受験を決めたのは地元の国立大学。当時のセンター試験で7割とれば合格できるラインの大学です。初めは独学で頑張ろうとしましたが、分からないところがあった時に聞ける人がいないのは非効率だと思い、週に1回個別指導の塾に通うことに決めました。2年ほどバイトをしていたので、多少貯金がありました。ただ、私の貯金額では塾で全教科受講は厳しかったので、数学・英語の2教科に絞って、他は各回の残った時間で教えてもらうか、参考書だけ貸してもらい独学で頑張ることにしました。

入塾面談に行った時、私が高校1年生を3度も繰り返しているという話から、塾長には「来年の大学受験は厳しいです」と現実を突きつけられました。確かに、この時の私は教科によって偏りはあったものの平均的に中学2年生ほどの学力でしたし、まともに学校へ行けない人間が学習習慣を身に付けること自体難しいと思われても仕方ありません。なので、当初は2年後の受験にするということで入塾を決めました。
そうは決めたものの、2年かけて合格することと、1年で合格することでは、持つ意味に大きな差があると感じていました。私の良いところなのか悪いところなのか、「1年」という期間にこだわりが捨てられませんでした。

初めての通塾日、私の担当になった先生と対面しました。Z先生としましょう。物静かそうな男の先生でした。定時制、通信制と2回も留年している私でしたが、Z先生は親身に学習指導をしてくれました。そして、数学が比較的得意だった私の様子を見て、2年も必要ないんじゃない?と言ってくれたのです。そこから私の心に火が付き1年後の受験を目標に学習計画をスタートさせました。

大学受験資格を得るため高卒認定試験を受験

1年後に大学受験を決めたのは良いものの、その時の私はまだ高校2年生。そもそも大学受験資格がありませんでした。となると、この1年以内に高卒認定試験に合格して大学受験資格を得なければなりません。幸いにも、高校で取得した単位が少しあったので、単位認定手続きをして、高卒認定試験の受験教科は3科目で済んだと記憶しています。在籍している通信制高校から単位取得証明書をもらったりするのが少し大変でしたが、何とか試験にクリアし、無事大学受験資格を得たのでした。

受験勉強

受験教科

受験科目は希望する大学や学部によって変わりますが、私の受験科目は以下の通り。

国語/数学Ⅰa/数学Ⅱb/英語/日本史B/生物基礎/物理基礎/地学

社会と理科の科目選択は、点の取りやすさより断然自分の「好き」を優先しました。1年間鬼のように勉強しなくてはいけないので、少しでも楽しむ気持ちを持ち続けるための選択です。理科は「化学が点取りやすいよ」と友達から聞いたことがあったのですが、点が取りやすいから選ぶと言うのが、私には理解しがたかったのです。

アルバイトとの両立

塾の費用と、大学でかかる費用のためにアルバイトは続ける必要がありました。当時は居酒屋で働いていたので、昼間は勉強、夜はアルバイトという生活でした。よく、アルバイトしながら合格できたなんてすごいね、と言われるのですが、私は他の受験生と違って昼間学校に通う必要がありません。本来、学校へ行っているはずの時間を全て受験勉強時間に充てられたのは、1年で合格できた大きな要因かと思います。

勉強の仕方

私の受験勉強のキーワードは、当時も今も

「量より質」

です。
勉強をどれだけするか、より、どのようにするかという点に意識をおいていました。例えば日本史Bは、とにかく人物名やその人物と関連する出来事を頭に入れる必要があります。私はそのほとんどをマンガ日本の歴史で覚えました。正直、この覚えるという作業に人生においてどれだけの価値があるかわかりませんが(ほとんどないと思う)、大学に行くためにはセンター試験をクリアしなければならないので、とにかく頑張りました。英単語の暗記は、ただ闇雲に覚えるのでなく、寝る前に暗記し朝起きてまた復習することで定着効率を高めました。

基本的に1教科につき、使用した教材は1冊ですし、合格するまでに使ったキャンパスノートは薄いもの6冊くらいでした。

模試とセンター試験結果

さすがにぶっつけ本番でセンター試験は怖いので、塾の先生に勧められ河合塾と、東進の模試を数回受けましたが、5回ほど受けた模試の結果は全てDかE判定。センター試験の1カ月前に受けてE判定だったときは絶望しました。

ですが、ラスト一カ月の頑張りが効いたらしく、センター試験本番は全教科得点の合計が見事7割越え(7割3分くらい)を達成し、少し心に余裕をもって二次試験に進めました。

二次試験

センター試験が上手くいき少し気が緩んでいただろう私。2次試験は数学と英語でした。英語は割と余裕を持って回答できたのですが、数学は大きく失敗しました。ベクトルや式の証明のような問題だったと思うのですが、どれも最後まで自信を持って解くことができず、中途半端なところまでしか回答を書けませんでした。
試験の帰り道は手ごたえの無さに不安を感じながら暗い顔で帰宅しました。センター試験が上手くいったから大丈夫かもしれないという期待と、二次試験の出来栄えの低さに、心が不安定なまま合格発表を待つことに。

合格発表

合格発表の日、あの喜びと負の感情の入り混じる空間へ行くことはかなり勇気がいることでした。姉がついてきてくれることになり一緒に大学へ向かいました。結果は、、、

合格!

その場で親とZ先生に電話で報告。Z先生が「あなたやるねー、すごいねー!」といつもとそう変わらないテンションで、でも笑顔なんだろうなとわかる口調で喜んでくれました。

4月から大学生になれるんだと、嬉しさと緊張と不安と、いろんな感情が押し寄せてきたけど、ひとまず1年間努力し続けた自分を褒めてあげました。そして、家族をはじめZ先生、友人、たくさんの人に支えられて今があるんだと、感謝が溢れ出てくるのでした。
大学入学してからまた多くの壁にぶち当たるのですが、今日はここまでにします。

 

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