
ハヤカワ五味さんという実業家をご存じでしょうか。
五味さんは2024年に双極性障害であることを自身のブログで公表されています。
私が五味さんのことを知ったのはここ最近の話です。初めて見たのはABEMAprimeに出演されていた時。その後、たまたま見た双極症関連のyoutubeに出演されていて、そこで彼女が双極性障害であることを知りました。
私も精神科で双極性障害の可能性がかなり高いと言われている身ですが、投薬治療をすることに抵抗があり、今も不安定な生活を送っています。そんな中、五味さんの出演されていたyoutubeと、五味さんのブログ記事を読んで、治療に対して私が悩んだり葛藤していたことにスッと答えをもらいました。
今回は、私のように双極性障害の治療に対して抵抗のある方や、双極性障害は働けないのではないかと不安のある方に向けて、五味さんの双極性障害との向き合い方を、私の視点も交えて共有できればと思います。
双極性障害の治療に抵抗があるのはなぜか
私は、約2年前に精神科で「双極性障害の可能性がかなり高い」と言われ、炭酸リチウムを処方されました。炭酸リチウムは双極性障害の治療によく使われる気分安定薬です。躁と鬱の気分の波をおだやかにし再発を防ぎやすくします。
主治医は私の精神状態を考慮して”可能性が高い”と言ってくれましたが、数年通って言われたことですし、典型的な躁と鬱エピソードがあるのでほぼ確定だと思っています。
ですが、炭酸リチウムを真面目に服薬したのは約1ヵ月。服薬後、気分に波がなくなりすぎるというか、ぼーっとして感情があまりにも平坦な気がしてやめてしまいました。私が困っているのは、鬱の部分だけなので、薬を飲むと自分の個性が失われる気がしてしまうのです。まぁ、私が自分の個性だと思っているのは、おそらく躁状態の自分なのですが(笑)
そんなこんなで治療に抵抗が生まれ、それ以降服薬はせず、主治医にも「ちょっと海外行きたいのでしばらく通院できません!」と言って通院を自分からやめました。主治医は何とも言えぬ表情で、「じゃあまた具合悪くなったら来てね…」と見送ってくれました。
この、”個性が失われてしまうのでないか”という不安に関して、五味さんもこう語っています。
何事にもチャレンジしてみる姿勢とか、色々な私らしさが全て双極性障害の症状のような気がして、それらが無くなったら何も私に残らないんじゃないかと。とにかく、治療することで何者でもなくなってしまうのではないか、という強い不安がありました。
超共感。自分らしさと症状をどう受け止めるかは、多くの方が直面する壁なんですね。
五味さんの答え
実際に治療を行った五味さんだからこそ辿り着いた考えがありました。
治療が落ち着いた今だから言えますが、別に治療をしても自分の起業家精神、パッション、熱量みたいなのは全く削がれなかったです。一方で、その時だけの考えで周囲を巻き込んでめちゃくちゃにするようなリスキーな行動は減ったので、自分で自分の首を絞めることは減りました。
私は、今の自分の方が好きです。
「今の自分の方が好き」
この言葉を聞いてなんだか安心しました。私はこれまで、個性が失われるのが怖くて治療を行ってきませんでしたが、治療を行った五味さんだからこそ言えるこの言葉はすごく心に響きます。
治療をしないとまた躁状態になれて、ものすごく大きなチャレンジができるんじゃないかって思うけど、家族や友達を巻き込んで信頼を失うリスクも高いわけで。
躁にならなくても、良いアイデアが浮かんだり、本来の行動力が発揮される素質が自分にはきっとある。
五味さんの言葉を聞いてだんだんそう思えるようになってきました。
治療をするか迷っている方へ
治療をするか迷っている状態はある程度、症状が落ち着いている時とも言えると思います。今の私がそうです。
ですが私は五味さんの言葉を受けて、次、大きな波が押し寄せてきた時は、迷わず治療をすることに決めました。
できる限り、生活習慣を整え、体調をコントロールしながら、必要な時は病院に行きましょう。
もっと冷静な状態で自分らしさを発揮できるなら良いじゃあないですか!
by軽躁状態の筆者
※当サイトの記事は、双極性障害などの体験談・経験に基づいて執筆されたものです。
記事内容は医学的な診断や治療を目的とするものではなく、自己判断の材料として用いることはお控えください。
症状に関しては必ず医療機関・専門医にご相談ください。


