
中学生で不登校の状態が続いていると、「高校に行けるのだろうか」「受験なんて無理かもしれない」と不安を感じる家庭は少なくありません。不登校は決して珍しいことではなく、文部科学省の統計によると、全国で中学生の約50人に1人が不登校を経験しているとされています。
不登校でも高校進学は可能?
不登校だからといって、必ずしも高校進学を諦めなければならないわけではありません。ただし、通常の「内申点」を基準にした公立高校の一般入試では、出席日数が大きな影響を与えることもあります。出席日数が不足していると、内申点が低く評価され、結果として合格しづらくなるケースが多いのです。
一方で、内申点に頼らない受験方式を設けている高校もあります。たとえば、面接重視型、作文・小論文型、適性検査型などです。これらの方式では、出席日数よりも本人の意欲や考え方が評価されます。また、通信制高校やサポート校では、入試そのものが書類選考のみという場合もあり、不登校経験のある生徒でも進学しやすい環境が整えられています。
公立高校以外の選択肢もある
公立高校だけにこだわらず、私立高校、通信制高校、定時制高校、フリースクールなど多様な進路を視野に入れることが大切です。たとえば、通信制高校では、自分のペースで学べるうえに、週1〜3回の登校や完全オンラインコースも選択できます。学校に行くことへの心理的負担を減らしながら、卒業資格を取得できる柔軟な学び方です。
また、最近では「通信制+専門学習(デザイン、IT、心理など)」といった特色ある学校も増えています。高校卒業だけでなく、将来の進路や資格取得を見据えた学びを重視する生徒にとっても魅力的な選択肢です。
不安があっても一歩ずつ進める
不登校期間が長いと、「今さら勉強についていけないのでは」と不安に感じる人も多いでしょう。しかし、通信制高校では個別サポートや基礎学習のリスタート支援があり、ゼロから学び直せる体制が整っています。入学前に学力テストや適性面談を行い、無理のないカリキュラムを組んでもらえる場合もあります。
重要なのは、「高校に行けるかどうか」ではなく、「どんな形で学びを続けるか」という視点に切り替えることです。全日制高校にこだわらず、自分に合った学び方を見つけることが、将来的な自立や社会参加につながります。
焦らず、自分に合ったペースで
保護者としても、焦って「早く進路を決めなければ」と思うより、子どもの気持ちやペースを尊重することが大切です。不登校を経て高校進学した生徒の多くは、少し時間がかかっても自分の意思で次の一歩を選んでいます。進学までの過程は一人ひとり違いますが、「行ける道は必ずある」という視点を持ち続けることが大切です。
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※当サイトの記事は、不登校などの体験談・経験に基づいて執筆されたものです。
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進路に関しては必ず教育機関・専門家にご相談ください。

