双極性障害で入院するとどうなる?実際の体験談と入院の基本知識

双極性障害の入院とは?知っておきたい基本と実情

双極性障害の治療の一環として、入院という選択肢が必要になる場合があります。
躁状態やうつ状態が深刻化し、日常生活が維持できない場合や、
自傷・他害のリスクが高まった際には、医師の判断で入院がすすめられたり、時に患者自身の判断で入院をすることもあります。

入院は特別なことではなく、安全な環境で症状を落ち着かせるための
重要な治療手段のひとつです。

入院が必要になるケース

双極性障害では、気分の波が大きくなる時期に衝動的な行動が増えたり、
強い絶望感に襲われたりすることがあります。
以下のような場合、入院が検討されることが多いです。

  • 自殺念慮や自傷行為の危険がある場合
  • 躁状態によって判断力が低下し、危険な行動が増えている場合
  • 家族や周囲だけでは安全を確保するのが難しい場合
  • 投薬や休養を安定して行うために環境を整える必要がある場合

入院は、一時的な「避難所」としての役割を果たし、
心と身体の安全を守るための場所です。
安全な環境で医療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、
治療の効果を高めることが期待されます。

双極性障害の入院率

日本で行われた臨床研究では、外来で治療を受けている双極性障害の人のうち、
約3.06%が1年間のあいだに精神科への入院を経験したと報告されています。
この数字は、一定期間内に入院が必要になった人の割合を示したものです。

なお、この結果はすべての人に当てはまるものではなく、
症状の重さや生活状況などによって入院の必要性は大きく異なります。詳しくはこちら

精神科の入院の種類

精神科の入院にはいくつかの形があり、
誰の同意で入院が決まるのか、どこに決定権があるのかによって区別されています。
本人の意思が尊重される場合もあれば、医師や行政の判断によって入院が決まる場合もあり、
精神科の入院は以下の大きく5つの種類に分けられます。

① 任意入院

本人が「入院したい」と同意して行う入院。
自由度が高く、原則として退院も本人の希望で可能。

② 医療保護入院

本人の同意が得られない場合に、指定医1名+家族等の同意で行う入院。
自傷他害のおそれはないが、治療が必要なときに使われる。

③ 措置入院

自傷他害のおそれがあると判断された場合に、
指定医2名の診察により、本人の意思に関係なく行われる入院。

④ 緊急措置入院

措置入院が必要だが、緊急で2名の診察を待てない場合に行う入院。
指定医1名で最大72時間まで認められる。

⑤ 応急入院

任意入院ができず、家族の同意も得られない緊急時に行う入院。
指定医1名で72時間以内の一時的な入院。

入院期間と治療内容

入院期間は人によって大きく異なりますが、
初回のエピソードでは数週間から数ヶ月程度が目安となることが多いです。

入院中は主に次のような治療が行われます。

  • 気分安定薬や抗精神病薬などの薬物療法
  • 医師や心理士による定期的な診察・カウンセリング
  • 睡眠や生活リズムの調整
  • グループワークや作業療法などの心理社会的支援

これらの治療を通して症状が安定してくると、
自宅での生活に向けた準備が整えられます。

再発防止やセルフケアの方法について学ぶ機会にもなり、
長期的な治療計画の基礎を築く大切な時間といえます。

 

入院=重症なのか

「入院=重症」と考えてしまう人も少なくありませんが、それは誤解です。入院の1つに、治療立て直し入院(主に任意入院として)というものがあります。症状が急性期ほどではなくても、「生活リズムや気分の波のコントロールがうまくいかない」「再発が続いている」「薬の調整が必要」といったケースで行われる、比較的落ち着いた状態での入院です。


実際の入院体験談を読んでみよう

ここからは、双極性障害Ⅰ型・Ⅱ型の方が実際に経験した入院体験談を紹介します。実際の声を通して、入院生活の様子や心の変化をより具体的に知ることができるでしょう。

👉 双極性障害治療立て直し入院日記:0日目(ありす)
入院初日からの生活や気持ちの変化が丁寧に記録されています。
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👉 激しい躁とうつをくり返す双極性障害I型。失ったものも多いけど(体験談)
双極性障害I型の入院経験と、そこから得られた学びが語られています。
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👉 双極性障害〜私の入院体験記(成年者向けコラム)
具体的な入院生活の様子や回復までのプロセスがまとめられています。
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👉 体験談から双極性障害(双極症)を学ぶ
さまざまな入院体験と回復記録を通じて、治療の意味を考えられる記事です。
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入院は恐れるべきものではなく、回復への大切なステップです。他者の体験を知ることで、「自分だけではない」と感じられたり、治療への前向きな気持ちが芽生えるきっかけになるでしょう。

※注意:本記事に記載されている内容は、筆者および体験者の個人的な経験に基づくものであり、医療的助言や診断・治療の指針を提供するものではありません。正確な診断・治療については、必ず専門の医師による診察・判断を受けてください。

 

 

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