広末涼子 × TBS「後夜祭」騒動：双極性障害の事実を無視した報道の問題

2025年10月4日深夜、TBS系バラエティ番組『オールスター後夜祭’25秋』で、女優・広末涼子さんに関する発言が放送され、短時間で大きな話題となりました。
番組内では「時速165キロを出したことがあるか？」というクイズ形式の話題が紹介されましたが、この内容に対し、広末さんは公式に抗議文を発表しています。

報道された事実と騒動の流れ

• 10月4日放送
  番組で、クイズ形式の中に広末さんに関する項目が含まれ、「165キロを出したことがあるか？」という発言が冗談めかして紹介されました。
• 10月6日
  広末さんの公式サイトで抗議文を発表。「根拠のない情報を放送し、本人の名誉を傷つける可能性がある」と指摘し、TBSに対応を求めました。
• 10月9日
  TBSは番組公式サイトで謝罪文を掲載。「番組内の表現は不適切であった」と明記し、広末さんに迷惑をかけたことを謝罪しました。

報道側が見落としていた視点

ここで重要なのは、番組側が**広末涼子さんが双極性障害であるという事実を考慮していない点です。
双極性障害では、躁状態になると普段では考えられないエネルギッシュな行動をとることがあります。そのため、「165キロ」という高速運転も、決して完全に不自然とは言えない可能性があります。

しかし、番組ではそのような背景や本人の体調、病気のことを全く考慮せず、単に冗談やクイズのネタとして扱ったことが問題です。視聴者には、広末さんの行動が「危険な奇行」「無謀な行動」と誤解されるリスクがあり、精神疾患に関する偏見を助長する可能性もあります。

双極性障害の理解と報道の配慮

双極性障害は、気分の波があり、日常生活に支障を及ぼすことがあります。本人が公表している場合でも、報道で扱う際には慎重な配慮が必要です。
特に以下の点は重要です：

• 本人の病気や体調を理解せず、行動の一部だけを切り取って笑いの題材にしない
• 根拠のない情報や推測を面白おかしく報道しない
• 視聴者に誤った印象を与え、精神疾患への偏見や差別を助長しない

なぜ今回の騒動は問題なのか

今回のケースでは、広末さんが双極性障害を公表しているにも関わらず、テレビ側はその事実に触れずに軽率な表現を放送しました。
個人の行動の善悪を問うよりも、**メディアが病気の事実を無視したまま放送してしまったこと自体が問題**です。こうした報道は、精神疾患への理解を深める機会を失わせるだけでなく、当事者やその家族に不要なストレスを与える可能性があります。

まとめ

広末涼子さんの「後夜祭」騒動は、個人の行動の是非ではなく、**報道側の配慮不足と軽率な情報の扱い方**に問題の本質があります。
双極性障害など精神疾患に関して、安易にネタにすることは避け、事実と背景を理解した上で報道することの重要性を改めて示しています。