
もくじ
双極性障害と結婚という選択
双極性障害(そうきょくせいしょうがい)は、気分が大きく高揚する「躁(そう)」と、深く落ち込む「うつ」という2つの状態を繰り返す精神疾患である。躁の時期には自信や行動力が過剰になり、衝動的な行動や浪費、対人トラブルが起こることがある。一方で、うつの時期には強い無気力や自己否定感が現れ、日常生活すら困難になる場合もある。このような気分の波は人生のさまざまな局面に影響を与え、特に「結婚」という長期的な関係においては大きな課題となることが多い。
なぜ結婚が難しいとされるのか
双極性障害を抱える人との結婚が難しいとされる理由の一つは、その症状が予測しづらく、パートナーが戸惑いや不安を抱える場面が多い点にある。躁状態では過剰な自信や衝動性がトラブルの引き金になることがあり、うつ状態では会話や交流が減って孤立感が強まるケースもある。また、症状の変化が「気持ちの問題」ではなく病気の一部であるという点が理解されにくく、すれ違いや誤解が生まれやすい。
それでも結婚は不可能ではない
こうした難しさがある一方で、「結婚できない」というわけではない。実際に、双極性障害と共に人生を歩んでいるカップルは多く存在する。重要なのは、病気を完全に克服しようとするのではなく、「波と共に暮らす」という視点を持つことだ。症状の変化を共有し合い、治療を継続しながら支え合うことで、信頼関係を深めることもできる。現実的な工夫と理解があれば、穏やかで安定した家庭生活は十分に可能である。
パートナーにできるサポート
パートナー側に求められるのは、症状を「性格」や「気分の問題」としてではなく、「病気の一部」として理解する姿勢である。例えば、うつ期に元気がない様子を「愛情が冷めた」と誤解せず、「今は体調が低下している時期」と受け止めることで、関係は大きく変わる。また、カウンセリングや診察への同伴、日々の体調変化への関心といった行動も安心感につながる。
当事者が意識すべきこと
一方で、当事者自身も自分の状態を隠さず共有することが大切だ。「最近少し躁っぽい」「今は落ち込みが強い」といった情報を共有できれば、パートナーは心の準備をしやすく、適切な対応がとりやすくなる。病気を恥じず、共に生きていくための工夫を見つけることが、関係を長く続ける大きな力となる。
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※注意:本記事に記載されている内容は、筆者および体験者の個人的な経験に基づくものであり、医療的助言や診断・治療の指針を提供するものではありません。正確な診断・治療については、必ず専門の医師による診察・判断を受けてください。
参考文献・参考サイト
双極症





