
高卒認定試験とは?受験資格・科目・難易度・費用まで徹底解説【2026年最新】
高校を卒業していなくても、大学や専門学校への進学を目指せる制度、
それが、高等学校卒業程度認定試験です。
高認と略して呼ばれることもあります。
高校を中退した人だけでなく、不登校などを理由に高校へ進学しなかった人、高校に在学している人も受験できます。
2026年度からは、新しく「情報」が試験科目に加わるなど、
時代に合わせて試験内容も変化しています。
この記事では高等学校卒業程度認定試験の最新の情報をお届けします。
受験を考えている方は参考にしてください。
✓ 高卒認定と高校卒業の違い
✓ 何歳から受験できるのか
✓ 2026年度からの試験科目
✓ 高校で取った単位は使えるのか
✓ 受験料・出願方法・試験日
✓ 高卒認定試験の難易度
✓ 合格後にできること
高卒認定試験とは?
高卒認定試験とは、正式名称を「高等学校卒業程度認定試験」といいます。
さまざまな理由で高校を卒業できなかった人などについて、高校を卒業した人と同等以上の学力があるかを国が認定する試験です。
文部科学大臣が実施しており、
合格すると、大学・短期大学・専門学校などへの進学に必要な入学資格を得ることができます。
以前は「大学入学資格検定(大検)」という制度でしたが、2005年度から現在の高卒認定試験になりました。
高校を卒業していない人が、試験などを通して「高校卒業者と同等以上の学力がある」と認定してもらう制度です。
高卒認定=高校卒業ではない
ここは、勘違いする人が多いところですが、
高卒認定試験に合格しても、高校を卒業したことにはなりません。
高卒認定はあくまで、
「高校卒業者と同等以上の学力がある」
ことを認定する制度だからです。
たとえば、中学校卒業後に高校へ進学せず、高卒認定試験に合格した場合、高校を卒業したわけではないため、最終学歴が「高卒」になるわけではありません。
高卒認定に合格
→ 高校卒業者と同等以上の学力があることを認定
高校を卒業
→ 高校卒業という学歴を取得
一方、高卒認定試験に合格したあと大学へ進学し、その大学を卒業すれば、最終学歴は「大学卒業」となります。
高卒認定は何歳から受けられる?
高卒認定試験は、受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験できます。
2026年度の場合は、2027年3月31日までに満16歳以上になる人が対象です。
高校に在学している人でも受験できます。
ただし、すでに高校を卒業しているなど、大学入学資格を持っている人は受験できません。
受験可能
年齢要件を満たせば受験可能
受験可能
16歳で合格したらすぐ大学に行ける?
ここも少し注意が必要です。
16歳になる年度から試験自体は受けられますが、18歳未満で必要な科目をすべてクリアした場合、原則として18歳になった日の翌日から高卒認定試験の合格者となります。
そのため、
「16歳で高卒認定を取れば、そのまますぐ一般的な大学へ進学できる」
という制度ではありません。
早めに試験科目をクリアしておき、18歳になるタイミングに合わせて大学進学を目指すことは可能です。
【重要】2026年度から「情報」が追加
2026年度から、高卒認定試験に「情報」が追加されました。
高校の新しい学習指導要領や、大学入学共通テストに「情報」が追加されたことなどを踏まえた変更です。
そのため、2025年度までの情報を見ると、
「8〜9科目程度で合格できる」
などと書かれている場合がありますが、現在はそのまま当てはまりません。
2026年度からは、選択する理科によって9科目または10科目が合格に必要です。
2026年度の高卒認定試験の科目
現在の試験科目は次のとおりです。
国語・地理・歴史・公共・数学・英語・情報は基本的に必要となります。
少し複雑なのが理科です。
理科は2つの選び方がある
理科には、次の2パターンがあります。
「科学と人間生活」
+
物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から1科目
物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から3科目
つまり、理科の選び方によって、高卒認定試験全体で必要になる科目数が9科目または10科目になります。
全部の科目を一度に合格する必要はない
「9〜10科目も勉強するのは大変そう……」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、高卒認定試験は一度の試験ですべての科目に合格する必要はありません。
一度合格した科目は、その後も科目合格として扱われます。
たとえば、
国語・数学・英語・地理に合格
↓
2回目
残っている科目を受験
↓
必要な科目をすべてクリア
→ 高卒認定試験の合格へ
という受け方もできます。
年2回試験があるため、勉強時間や得意・不得意に合わせて分けて受験することも可能です。
高校で取った単位があれば試験を免除できることがある
高校を中退した人に特に確認してほしいのが、科目免除です。
高校などで一定の単位をすでに修得している場合、その科目に対応する高卒認定試験を受けなくてもよい場合があります。
たとえば高校を途中で退学したとしても、それまでに修得した単位がすべて無駄になるわけではありません。
科目免除を申請する場合は、原則として在籍していた高校などに「単位修得証明書」を作成してもらいます。
自分では「全部受けないといけない」と思っていても、高校で修得した単位によっては複数科目が免除になる可能性があります。
まずは以前在籍していた高校の単位を確認してみましょう。
ただし、すべての科目を免除だけで済ませて高卒認定試験の合格者になることはできません。
文部科学省によると、少なくとも1科目以上は実際に高卒認定試験を受験して合格する必要があります。
高卒認定試験の受験料
受験料は、実際に受験する科目数によって変わります。
8,500円
6,500円
4,500円
受験料は収入印紙で納付します。
都道府県が発行する「収入証紙」ではないので注意してください。
高卒認定試験の出願に必要なもの
初めて受験し、科目免除を利用しない場合は、主に次のものを準備します。
- 受験願書
- 受験料分の収入印紙
- 写真2枚(4cm×3cm)
- 本籍地が記載された住民票または戸籍抄本の原本
科目免除を申請する人は、単位修得証明書などが追加で必要になります。
過去に高卒認定試験で一部科目に合格している場合なども必要書類が異なります。
出願書類は、受験案内に付属する専用封筒を使い、郵便局の窓口から簡易書留で郵送します。
ポストへの直接投函や、文部科学省への持参では出願できません。
2026年度(令和8年度)の試験日程
高卒認定試験は、基本的に年2回行われます。
2026年度の日程は次のとおりです。
受験案内配布:2026年4月6日〜
出願期間:4月6日〜5月13日
試験日:8月6日・7日
結果通知:9月1日発送予定
受験案内配布:2026年7月21日〜
出願期間:7月21日〜9月11日
試験日:11月7日・8日
結果通知:12月8日発送予定
出願期間を過ぎると受け付けてもらえないため、受験を考えている人は早めに受験案内を確認しておきましょう。
試験はどんな形式?
高卒認定試験は、主として多肢選択による客観式で出題され、解答はマークシート方式です。
2026年度の日程では、1科目あたりの試験時間は50分となっています。
記述式の大学入試のように長い文章を書き続ける試験ではありません。
まずは過去問題を実際に解いて、
「どんな問題が出るのか」
「今の自分はどのくらい解けるのか」
を確認するのがおすすめです。
文部科学省は高卒認定試験の過去問題と解答を公開しています。
高卒認定試験の難易度は?
「高卒認定って難しいの?」
という点は、これから受験する人にとってかなり気になるところだと思います。
参考になるのが、実際の受験者数と合格者数です。
2025年度(令和7年度)は年間で16,820人が受験し、そのうち7,937人が高卒認定試験の全科目合格者となりました。
割合にすると約47.2%です。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「全科目合格率が約47%=半分以上の人が全科目不合格」ではありません。
高卒認定試験には「科目合格」があり、複数回に分けて必要科目をそろえる人もいるためです。
2025年度は、受験者16,820人のうち15,041人(89.4%)が1科目以上に合格しています。
受験者 16,820人
1科目以上合格 15,041人(89.4%)
全科目合格 7,937人(47.2%)
つまり、「一度ですべての科目に合格できるか」だけを見るのではなく、科目合格を積み重ねながら最終的な合格を目指せる試験と考えたほうが実態に近いでしょう。
2026年度第1回の受験者・合格者数
2026年度(令和8年度)第1回試験は、8月6日・7日に実施されました。
文部科学省によると、
8,090人
3,086人
でした。
2026年度から「情報」が追加されているため、過去年度の数字と単純に比較する際には注意が必要です。
高卒認定に合格すると何ができる?
高卒認定試験に合格する大きなメリットは、大学などへの進学ルートが開かれることです。
代表的なのは、
- 大学への進学
- 短期大学への進学
- 専門学校への進学
- 高卒認定を高卒と同等として扱う資格試験への挑戦
- 高卒認定を高卒と同等として扱う採用試験への応募
などです。
ただし、就職についてはすべての企業が「高卒認定=高卒」として採用しているわけではありません。
求人の応募条件が「高校卒業」となっている場合は、高卒認定合格者が応募できるか企業へ確認したほうが確実です。
高校在学中に高卒認定を受けるメリットもある
高卒認定試験は、高校を辞めた人だけの制度ではありません。
高校在学中でも受験できます。
さらに、高卒認定試験で合格した科目について、在籍している高校の校長の判断により、高校の単位として認定される場合があります。
ただし、自動的に単位になるわけではありません。
高校在学中に高卒認定試験を利用したい場合は、出願する前に学校へ相談しておくと安心です。
高卒認定と通信制高校、どちらを選べばいい?
高校を続けることが難しくなったとき、
「通信制高校へ行くか、高卒認定を取るか」
で迷う人もいると思います。
大きな違いは、高校卒業資格を取得できるかです。
高校卒業者と同等以上の学力を認定
大学などの受験資格を得られる
高校卒業という学歴にはならない
高校に在籍して学習する
卒業要件を満たせば卒業できる
最終学歴を「高校卒業」にできる
大学進学までのスピードを重視するのか、高校卒業という学歴を取得したいのかによって、適したルートは変わります。
「高校へ通うのが難しい=高卒認定しかない」というわけではないので、通信制高校なども含めて比較してみるとよいでしょう。
高卒認定試験の勉強は何から始めればいい?
まず確認したいのは、自分が本当に何科目受験する必要があるのかです。
特に高校に在籍した経験がある人は、科目免除を受けられる可能性があります。
① 高校で修得した単位を確認する
↓
② 免除できる科目を確認する
↓
③ 実際に受験する科目を決める
↓
④ 文部科学省の過去問題を解いてみる
↓
⑤ 苦手科目を中心に勉強する
↓
⑥ 出願する
↓
⑦ 試験を受ける
最初から参考書を大量に買うより、まず過去問題を確認して現在の実力を把握したほうが、必要な勉強量を判断しやすくなります。
高卒認定試験についてよくある質問
Q. 高校を中退していても受けられる?
はい。
受験する年度の終わりまでに16歳以上になるなどの条件を満たしていれば受験できます。
高校で取得済みの単位があれば、科目免除を受けられる可能性もあります。
Q. 不登校でも受けられる?
受けられます。
学校への出席日数そのものを受験資格として求める試験ではありません。
高校に在籍したまま受験することもできます。
Q. 一発で全部合格しないとダメ?
いいえ。
合格した科目を積み重ねて、最終的に必要科目をすべてクリアすることができます。
Q. 高卒認定を取れば履歴書に「高卒」と書ける?
高校を実際に卒業していなければ、「高校卒業」とはなりません。
高卒認定試験に合格したことは、学歴・資格欄などで適切に記載します。
Q. 高卒認定から大学に進学できる?
できます。
高卒認定試験に合格すると、大学・短期大学・専門学校などへの入学資格を得ることができます。
Q. 独学でも合格できる?
独学で勉強することも可能です。
文部科学省が過去問題と解答を公開しているため、まずは実際の問題を確認してから勉強方法を考えるとよいでしょう。
高卒認定から大学進学した人の体験談
制度について調べるだけでなく、実際に高卒認定を経て大学へ進学した人の体験談を読むのも参考になります。
高校を中退し、高卒認定試験に合格して大学進学した経験が紹介されています。
→ 高卒認定から大学進学した体験談を読む
高校を退学した娘さんが高卒認定試験を経て大学受験に挑戦する過程が、保護者の視点から紹介されています。
→ 高卒認定から大学受験した体験談を読む
まとめ|高卒認定は高校以外から進学を目指せる制度
高卒認定試験は、高校を卒業していない人にとって、大学や専門学校などへの進学につながる大切な制度です。
高校を中退したから、大学には行けない。
不登校だったから、進学するのは難しい。
必ずしもそうではありません。
高卒認定という別のルートから大学進学を目指すこともできます。
2026年度からは「情報」が追加され、現在は理科の選択によって9科目または10科目が合格に必要です。
ただし、高校などで修得済みの単位があれば科目免除を利用できる場合があり、一度合格した科目を積み重ねることもできます。
そのため、最初から「9科目全部を一度に受けなければならない」と考える必要はありません。
まずは、
自分が何科目受験する必要があるのか
を確認するところから始めてみましょう。
・高等学校卒業程度認定試験
・令和8年度高等学校卒業程度認定試験実施要項
・試験科目・合格要件・出題範囲
・免除要件
・高等学校卒業程度認定試験Q&A
・高等学校卒業程度認定試験 解答・過去問題
・令和8年度第1回高等学校卒業程度認定試験実施結果



