
※この記事には広告が含まれる場合があります。制度・資料の確認日:2026年9月23日
不登校の「出席扱い」とは?自宅学習・フリースクールの条件と、利用した家庭の実例
学校に行っていない日でも、自宅で学んだり、学校外の施設で相談・指導を受けたりした日が、学校の記録上「出席扱い」になることがあります。
「何時間勉強すればいい?」「通知表も付くの?」と、仕組みがわかりにくいですよね。
この記事では、文部科学省の2026年の説明資料を中心に制度を整理し、実際に学校と相談した家庭の公開記録も紹介します。
この記事でわかること
✓ 「出席扱い」の記録上の意味
✓ 施設利用・自宅学習それぞれの条件
✓ 実際の家庭で決めた学習記録と連絡方法
そもそも「出席扱い」とはどういう制度?
不登校の子どもが学校の外で行った活動を、一定の条件のもと、在籍する学校の「指導要録」で出席として記録できる制度です。指導要録は、学校が児童生徒の学籍や指導に関する情報を記録する公的な書類です。
たとえば文部科学省の記載例では、教育支援センターでの20日と自宅学習の10日、合計30日を出席扱いとして出席日数に含め、欠席日数から除いています。学校に実際に30日登校したという記録ではなく、学校外での活動を出席として数えた日数です。出典:文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」3ページ
制度の趣旨は、学校外で続けている努力を学校が把握し、支援につなげることにあります。
対象になる活動には、大きく2つの形がある
① 学校外の施設で相談・指導を受ける
教育支援センターなどの公的機関や、学校と教育委員会が適切と判断した民間の施設で活動する形です。民間のフリースクールなら必ず認められる、という意味ではありません。学校・保護者・施設の連携と、施設での相談・指導が前提です。
② 自宅でICTなどを使って学ぶ
オンライン教材などのICTに加え、文部科学省の通知は、郵送やFAXなどを活用して提供される学習活動も挙げています。教材を使うだけでは足りず、学校との連携、計画的な学習、定期的・継続的な対面指導などが必要です。
両者は条件が異なります。特に自宅学習の出席扱いは、基本的に学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合を想定しています。出典:文部科学省「保護者等向け・不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」
自宅学習を出席扱いにする主な条件
文部科学省の資料を、保護者が学校と相談する順番に置き換えると次のようになります。出典:文部科学省「自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
1.学校と家庭が連携する
学校が学習状況を把握できるよう、連絡方法や報告頻度を相談します。
2.本人の理解に合う学習計画を作る
何を、どのように学ぶかを整理します。決まった教材名が全国共通の要件ではありません。
3.定期的・継続的な対面指導を設ける
訪問等による学習支援や自立に向けた支援が前提です。誰が、どこで、どのように行うかを学校に確認します。
4.校長が活動と支援の状況を把握し、判断する
学校は学習記録や対面指導の報告などを踏まえて判断します。出席日数の換算方法も学校・教育委員会と確認が必要です。
「毎日3時間以上なら出席」といった全国一律の時間基準は、文部科学省の通知にはありません。日数の換算方法については学校や教育委員会が、学習時間や対面指導の日数などを基準として判断することが考えられています。
実際に使った家庭では、どう進めた?
ここからは、保護者が公開している体験談を紹介します。各家庭と学校が取り決めた内容であり、全国共通の認定条件ではありません。
体験談① デキタスを使い、学習記録を学校へ報告した家庭
保護者「ランプ@不登校の親」さんの実録では、校長、担任、スクールソーシャルワーカー、教育委員会の担当者らと話し合い、自宅でのICT学習を出席扱いにする方向で協議しています。
その後、月1回程度の家庭訪問、学習内容と学習日時の記録提出などを取り決めました。この学校では「何分以上」という基準を設けず、当該家庭の学習日は出席扱いにすること、成績評価は行わないことも確認しています。
最初に試した教材は端末との相性が悪く、別の教材に変更したそうです。制度のために特定の商品を使い続けなければならないわけではない、と気づける事例です。
体験談② 1日3時間の学習履歴を学校に提出した家庭
すらら公式に掲載された小学生の保護者インタビューでは、6月初旬に学校と協議を始め、校長と教育委員会の確認を経て7月中旬ごろに話がまとまったそうです。この家庭では、教材での1日3時間の学習履歴を提出するというルールになりました。
上の家庭と必要時間が異なる点に注目してください。教材そのものが出席を保証するのではなく、学校が本人の状況や学習計画を見て個別に判断しています。なお、これは教材会社が掲載した利用者インタビューです。
公的な事例:学校が学習と対面指導を確認
文部科学省の参考事例には、民間のネット教材で自宅学習を行い、担任らが週1回家庭訪問した例もあります。学習内容と時間を踏まえて校長が出席扱いと判断し、成績については学校の課題プリントも確認しました。
出席扱いになると、成績も自動で付く?
出席扱いと成績評価は別の判断です。文部科学省は、学習計画や内容が在籍校の教育課程に照らして適切か、学校が学習状況を継続的に把握できるかなどを、成績評価の主な条件に挙げています。
先ほどの体験談①では、出席日数には反映しても成績評価は行わない取り決めでした。一方、文部科学省が紹介する事例では、Web教材の学習履歴や振り返りカードを使って、該当教科の成績評価にも反映しています。出席扱いが決まったら、「成績や通知表にはどう反映するか」も別に相談しましょう。出典:文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」
学校に相談するときは何を伝える?
最初の相談では、教材名だけを伝えるより、子どもに合った学び方と学校との連携方法を相談すると話が具体的になります。
学校に確認したいこと
✓ 学校外の施設での活動と自宅学習、どちらの制度として検討するか
✓ 学習計画と記録に、何を残せばよいか
✓ 先生等との対面指導をどう行うか
✓ 出席日数をどう換算し、いつから扱うか
✓ 成績や通知表にはどう反映するか
「文部科学省の資料を見て、本人に合う学び方を学校と相談したいです。出席扱いの可能性と必要な手続きを教えてください」と、担任や学校の相談窓口へ伝えるところから始められます。学校がすぐに回答できない場合は、校長や教育委員会と確認してもらいましょう。
よくある疑問
特定の教材を買わないと認められない?
いいえ。文部科学省は対象となる教材の商品名を指定していません。学校や教育委員会が、学習内容・計画・記録方法などを踏まえて判断します。契約前に学校と相談する方が、費用をかけた後の行き違いを防げます。
何時間勉強すれば1日になる?
全国一律の時間数はありません。文部科学省は、学校や教育委員会が学習時間などを基準に換算する方法を例示しています。紹介した家庭でも、時間を定めなかった例と1日3時間とした例がありました。
高校生も同じ仕組み?
この記事で説明した主な条件は義務教育段階の小中学生のものです。高校には出欠や単位認定に別の制度・判断があります。高校生は在籍校へ個別に確認してください。
まとめ:まず「学校と一緒に決める」ことから
出席扱いは、学校に通う以外の形で続けている活動を、学校が把握して記録に反映できる仕組みです。施設での相談・指導と、自宅でのICT等による学習では条件が違います。
実際の家庭では、学習記録の提出、先生の訪問、日数の数え方を学校と相談して決めていました。出席日数を増やすことだけを目的にせず、本人に負担の少ない学びと支援を組み立てることが出発点です。
制度の確認には、文部科学省の保護者向け資料を学校と共有すると話しやすくなります。



