
教員になれば奨学金が返還免除に?文科省が検討する新制度をわかりやすく解説
教員になった人について、大学在学中に借りた奨学金の返還を免除する制度が検討されていることがわかりました。
読売新聞が2026年9月に報じたもので、文部科学省は国公私立の小学校・中学校・高校などで働く教員について、大学在学中に貸与された奨学金の返還を免除する方向で検討しているとされています。
教員のなり手確保や教員不足への対応につなげる狙いがあります。
ただし、ここで注意したいのが、
あくまで現在検討されている制度です。
この記事では、今回報道された内容と、現在すでに存在する教員向けの奨学金返還免除制度との違いを整理します。
教員の奨学金返還免除制度が検討されている
読売新聞の報道によると、文部科学省が検討しているのは、大学在学中に貸与された奨学金について、教員としての勤務年数に応じて全部または一部を免除する仕組みです。
新しい制度が始まった後に採用された教員を対象とすることが想定されており、制度導入前から働いている教員を対象にするかどうかについては、今後検討すると報じられています。
今回の制度が実現すれば、大学時代に奨学金を利用して教員になった人にとって、大きな経済的支援となる可能性があります。
※今回の内容は検討段階であり、対象となる奨学金や勤務年数、免除額などの詳細は今後変更される可能性があります。
実は現在も教員向けの返還免除制度がある
「教員の奨学金返還免除制度」と聞くと、まったく新しい制度のように感じますが、現在も一定の条件を満たした人を対象とした制度があります。
日本学生支援機構(JASSO)では、教職大学院などを修了して正規教員として採用される人を対象に、大学院在学中に貸与を受けた第一種奨学金を全額免除する制度が設けられています。
ただし、現在の制度には大きなポイントがあります。
大学の学部在学中に借りた奨学金は対象になりません。
つまり現在は、
大学院で借りた対象の奨学金 → 条件を満たせば免除の可能性あり
大学の学部時代に借りた奨学金 → 現行の教員免除では対象外
という違いがあります。
文科省は以前から「学部段階」への拡大を検討していた
今回の報道で突然出てきた話というわけでもありません。
文部科学省が2026年5月に公表した資料では、現在の教員向け奨学金返還免除制度について説明したうえで、
学部段階の奨学金の返還支援についても、引き続き検討を進める
という方針が示されています。
また、文部科学省によると、現在の大学院段階の制度では、2025年度に366人が免除対象となりました。
今回報道された新制度は、これまで検討されてきた返還支援を、大学院だけではなく大学の学部段階まで広げようとする動きと見ることができます。
約30年ぶりの制度復活となる可能性
実は日本では、過去にも教員などを対象とした奨学金の返還免除制度がありました。
日本学生支援機構(JASSO)の資料にも、教育や研究に関する一定の職に就いた人について奨学金の返還を免除する「返還特別免除制度」が存在していたことが記録されています。
この制度はすでに廃止されています。
そのため今回検討されている制度が実現すれば、教員を対象とした学部段階の奨学金返還免除という点で、大きな制度変更となる可能性があります。
誰が対象になる?現時点でわかっていること
今回の報道で特に気になるのが、
「自分も対象になるの?」
というところだと思います。
現時点の報道では、新制度開始後に採用された教員について、勤務年数に応じて奨学金の全部または一部を免除する方向で検討されているとされています。
一方で、
・何年間勤務すれば全額免除になるのか
・第一種奨学金だけが対象なのか
・第二種奨学金も対象になるのか
・既に教員として働いている人も対象になるのか
・正規教員以外は対象になるのか
など、具体的な条件については今後の制度設計を確認する必要があります。
勤務年数や対象となる奨学金など、具体的な条件は今後明らかになっていくとみられます。
まとめ|まだ検討段階。今後の正式発表に注目
今回報道されたのは、大学在学中に借りた奨学金について、教員としての勤務年数に応じて返還を免除する制度です。
現在も教職大学院などを修了して教員になった人を対象とした返還免除制度はありますが、対象となるのは大学院在学中に貸与された第一種奨学金で、学部時代の奨学金は対象外です。
今回検討されている制度が実現すれば、大学在学中に奨学金を利用して教員を目指す学生にとって大きな変化となります。
ただし、現時点では制度の詳細が正式決定したわけではありません。
対象者や勤務年数、免除される金額などについては、今後発表される文部科学省やJASSOの情報を確認する必要があります。
新しい情報が公表され次第、この記事でも追記していきます。



