
不登校の高校進学|全日制だけじゃない「通信制高校」という選択肢
「中学で不登校を経験したけど、高校からはやり直したい」
高校受験を考える時期になり、
このような気持ちになっている人は多いのではないでしょうか。
確かに、高校進学は気持ちや行動を切り替えるきっかけになるかもしれません。
ただ、
”みんなが全日制高校に行くから自分も行きたい”
という考え方になっていませんか。
自分の今の気持ちや体調としっかり向き合い、
何のために高校に行きたいのかを考えながらこの記事を読んでいただければと思います。
この記事では、全日制への希望も大切にしながら、通信制高校の学び方や学校選びのポイントを整理します。
「みんなが行くから全日制」で選んで大丈夫?
中学では学校に通えなかったけれど、高校からは毎日通いたい。
そう思うこと自体は、まったくおかしくありません。
ただ、「全日制に行きたい」のか、「みんなと違う進路を選ぶのが怖い」のかは、一度分けて考えてみてほしいです。
高校への入学は、環境を変えるきっかけになります。一方で、きっかけにはなっても入学したその日から、体調や自分の根本的な性格が変わるわけではありません。
不登校経験の有無で、高校中退経験に差が見られた研究も
東京都立大学の研究では、東京都内の3自治体の若者を対象に、小・中学校での不登校経験と、その後の高校生活との関係を調べています。
高校をまだ卒業していない人などを除いて中退経験を比べたところ、次の結果でした。
17.1%
比較対象:34人
3.6%
比較対象:723人
この調査では、不登校経験がある人の方が高校中退を経験した割合が高く、統計的にも有意な差が見られました。
※この研究では、小学校または中学校で、病気や留学などを除いて年間30日以上休んだ経験を「不登校経験」として扱っています。
この結果は、「不登校だった人は全日制を選ばない方がいい」という意味ではありません。不登校経験があっても、全日制高校で過ごしたいという希望は大切です。
ただ、「高校に入れば何とかなるはず」と自分の不安を置き去りにしていないかは、進学前に確かめておきたいところです。
今の体調や生活リズムで、通学を続けられそう?
その高校を卒業することは自分の将来につながる?
「みんなが行くから」を抜きにしても、その学校に行きたい?
答えを考えたうえで全日制に行きたいと思うなら、その気持ちを大切にしてください。
通信制高校への偏見で、進路を狭めていない?
「通信制高校だと勉強ができないと思われそう」
「通信制高校から大学には行けないのでは?」
そんなイメージが気になって、通信制高校を候補に入れにくい人もいるかもしれません。そこで、まずは制度と進路のデータから事実を確認してみましょう。
卒業すれば、全日制と同じ「高等学校卒業」
通信制高校は、高等学校の課程の一つです。卒業したときの学歴は、全日制や定時制と同じ「高等学校卒業」になります。
自宅などでの学習を中心に、レポートの提出、スクーリング、試験などを通じて学びます。毎日登校しないことと、勉強しなくてよいことは違います。
通信制高校から大学へ進む人もいる
文部科学省によると、2024年度中に通信制高校を卒業した人のうち、約29%が大学等に進学しています。
約29%
2024年度中の卒業者
※「大学等」には大学の学部のほか、短期大学や大学・短期大学の通信教育課程なども含まれます。「大学の学部だけに約29%が進学した」という意味ではありません。
全日制高校卒業者の大学進学率と比べれば低くなりますが、「通信制高校からは大学に進学できない」というイメージは、事実と異なります。
一方で、大学進学への支援は学校によって違います。大学を目指したい人は、質問できる環境、進路相談の手厚さまで確認して学校を選びましょう。
周りからどう見えるかで進路を決める必要はありません。自分が学び続けられて、卒業後にやりたいことへ進めるか。その視点で全日制と通信制を比べてみてください。
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通信制高校は、どんな人に合う?
体調に波があり、毎日通える自信がない人
体調が安定しないと、週5日、朝から学校へ通う生活を続けられるか心配になりますよね。
通信制高校は自宅学習が中心なので、登校する日を抑えながら学べる学校もあります。ただし、スクーリングや試験への参加は必要です。「一度も学校に行かずに卒業できる」と思い込まず、実際に通う場所と日数を確認しましょう。
中学校で不登校が続き、通学を少しずつ始めたい人
いきなり毎日通うのではなく、少ない登校日数から始めたい人にも、通信制高校は候補になります。
ただし、「通信制高校」とひとくくりにはできません。自宅学習を中心にする学校もあれば、週に何日か通うコースを設ける学校もあります。
人と会う機会が少ない方が安心なのか、少しずつ通う場所がほしいのか。自分にとって無理のない距離感を考えることが大切です。
学習とアルバイトを両立したい人
学校に行かない時間をアルバイトに使い、大学や専門学校への進学資金を貯めたい。そんなふうに将来を考えている人もいると思います。
通信制高校は学習時間を調整しやすいため、アルバイトとの両立を考えやすい学び方です。貯めたお金を受験料や入学後の生活費に充てる、という目標も立てられます。
ただし、先にアルバイトの予定を詰めすぎると、レポートやスクーリングに必要な時間が足りなくなることもあります。卒業に必要な学習時間を確保したうえで働くことが前提です。
「通信制なら楽に卒業できる」は違う
通信制高校では、自分で学習を進める時間が長くなります。レポートの締切を確認し、スクーリングや試験にも参加しなければなりません。
中学校で勉強が止まっていた場合は、「分からないところを誰に聞けるか」も重要です。学習相談やオンラインでのサポートを行う学校もありますが、その内容は学校によって違います。
・レポートが進まないとき、誰に相談できる?
・学習計画を一緒に立ててもらえる?
自分が卒業まで学び続けられる仕組みがあるかを見てください。
全日制と通信制、どちらを選ぶ?
迷ったら、まず「高校生活で何を大切にしたいか」を言葉にしてみましょう。
毎日クラスメイトと過ごしたい。文化祭や部活動なども含めた学校生活への希望が強い。通学に挑戦したい気持ちがある。
体調に波がある。毎日の登校に不安がある。自分のペースで学びたい。学習とアルバイトなどを両立したい。
これは人を二つに分けるための診断ではありません。「友達はほしいけれど、毎日は通えない」という人もいるでしょう。その場合は、通学するコースや行事がある通信制高校を探す方法もあります。
全日制と通信制を両方調べてから決めても、遅くありません。
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通信制高校は「学校による違い」を比べよう
通信制高校が自分に合いそうだと思っても、最初に見つけた1校だけで決めないことをおすすめします。
比較するときは、次の項目を確認してみてください。
年間・月間で何日通うのか。スクーリング会場まで無理なく行けるか。
レポートは紙かオンラインか。締切や試験に向けた支援があるか。
体調や学習について、困ったときに誰へ、どの方法で相談できるか。
授業料だけでなく、施設利用料、教材費、通学費なども含めて確認する。
大学進学を希望するなら、受験科目の学習や進路相談を受けられるか。
行事や部活動、ほかの生徒と交流する機会をどのくらい望むか。
特に費用は、授業料だけを見て判断しないようにしましょう。学習を支援する施設やコースの利用に、別の費用がかかる場合があります。
通信制高校も、条件を満たせば高等学校等就学支援金の対象になります。ただし、これは授業料に対する支援です。支援を利用した後に、年間でいくら必要になるかを学校ごとに確認するのが確実です。
学校を決める前に、資料を並べてみよう
「通信制高校もありかもしれない」と思ったら、入学を決める前に、通える範囲の学校をいくつか調べてみてください。
学校の公式サイトや文部科学省の学校検索で候補を探し、気になる学校の資料を並べると、登校日数や費用、コースの違いが見えやすくなります。
通信制高校を進路候補に入れたい人へ
「なるには進学サイト」では、通信制高校などの資料を無料で請求できます。まず資料を見て、自分が通えそうな場所・日数・費用を比べてみてください。
資料請求は入学の申込みではありません。届いた資料で疑問が残ったら、学校説明会などで直接確認しましょう。
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資料を見るときは、「有名だから」「広告でよく見るから」だけで選ばず、自分の生活で続けられそうかを基準にしてみてください。資料だけでは分からないことは、学校に問い合わせて大丈夫です。
まとめ|自分が望む高校生活から考えよう
中学校で不登校だったとしても、全日制高校で過ごしたい気持ちがあるなら、その希望を大切にしていいと思います。
一方で、体調や通学への不安がある人、自分のペースで学びたい人、アルバイトと学習を両立して将来の資金を貯めたい人には、通信制高校という選択肢があります。
大切なのは「不登校だから、どの高校に行くべきか」ではなく、どんな高校生活を送り、その先で何をしたいかです。
全日制への希望を残したまま、通信制高校の資料も見てみる。両方を知ってから、自分に合う進路を選んでください。
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