
双極性障害は、気分が落ち込む時期とうまくいく時期を繰り返しやすい病気です。治療の中心は薬や通院になりますが、それとあわせて日常生活の中で「運動」を取り入れることが、心の状態に良い影響を与える可能性があると、さまざまな研究で言われています。
体を動かすと、脳の中では気分に関係する物質が分泌されます。これは気持ちを落ち着かせたり、前向きな感覚を助けたりする働きがあり、ストレスを感じにくくなる効果があると考えられています。うつ状態のときに感じやすい重だるさや気分の沈み込みを、やわらげる助けになることもあるようです。
また、運動をすることで脳の働きが活発になり、考える力や集中力に良い影響が出る可能性も指摘されています。双極性障害では「頭がうまく回らない」「考えがまとまらない」と感じることがありますが、軽い運動を続けることで、こうした感覚が少し楽になる人もいます。
研究では、定期的に体を動かしている人の方が、気分の落ち込みが軽い傾向にあるという報告もあります。特に、ウォーキングや軽い体操、ヨガなど、息が上がりすぎない運動は取り入れやすく、続けやすいとされています。無理のない運動は、心と体の両方にとって負担が少ない方法です。
さらに、運動は生活リズムを整える助けにもなります。双極性障害では睡眠の乱れが気分に影響することがありますが、日中に体を動かすことで夜に眠りやすくなり、生活のリズムが安定しやすくなると考えられています。規則正しい生活は、気分の波を小さくするためにも大切なポイントです。
ただし注意も必要です。調子が良い時期には「もっと動きたい」「いくらでもできそう」と感じることがありますが、運動をやりすぎると気分がさらに高ぶってしまう可能性もあります。研究でも、強すぎる運動が状態を不安定にすることがあると指摘されています。運動量は、その時の体調や気分を見ながら、無理のない範囲にとどめることが大切です。
運動は、双極性障害を治す特別な方法ではありませんが、日々の生活を少し楽にするための一つの手段にはなり得ます。自分に合ったペースで、できる範囲から取り入れていくことが大切です。
体験談紹介リンク
- 👉 双極性障害と運動 無理をしないウォーキング・体を動かす工夫
運動との付き合い方を、無理をしない視点から紹介している記事です。
記事を読む - 👉 双極性障害と運動:私の経験から感じたこと
実体験を通して、運動の良かった点や難しさが書かれています。
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双極性障害Ⅱ型の当事者視点で、運動の影響を振り返った記事です。
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参考文献・参考サイト
- Journal of Affective Disorders:双極性障害と運動習慣に関する研究
- American Psychiatric Association:双極性障害と生活習慣についての解説
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