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躁状態の“買い物衝動”が止まらない…原因と実体験ブログまとめ

躁状態で買い物が止まらなくなるとき

双極性障害の躁状態では、普段とはまったく異なる思考や行動パターンが表れることがあります。そのひとつが「買い物衝動」です。気分の高揚とともに自信が膨らみ、金銭感覚が緩くなってしまい、普段なら思いとどまって手を出さない高額なものや大量の商品を次々と購入してしまう――これは多くの当事者が経験する現象です。

躁状態では、判断力や抑制力が一時的に低下し、「今の自分なら使いこなせる」「この投資は未来につながる」といった楽観的な思考が強まる傾向があります。そのため、冷静な時期から見れば不必要なものまで「必要だ」と感じてしまい、気づいたときには多額の支出になっていることも少なくありません。

また、買い物自体が「快感」として脳に報酬刺激を与えることも指摘されています。ドーパミンの働きが高まる躁状態では、購入行為が一種の高揚感や達成感と結びつきやすく、止めようと思っても止まらなくなるケースが見られます。さらに、「今しかできない」「これが自分を成長させる」といった拡大解釈が重なると、計画性を失ったまま次々と注文してしまうこともあるのです。

もちろん、すべての人が同じ行動をとるわけではありません。生活用品の買い替えにとどまる人もいれば、高額な機材や旅行、投資商品に手を出してしまう人もいます。しかし共通するのは、「冷静なときの判断基準」と「躁状態の判断基準」が大きく異なるという点です。

そのような現象を、実体験として公開しているブログも数多く存在します。以下に、躁状態の買い物体験について綴られた記事をいくつかご紹介します。同じテーマでも、それぞれの背景や判断のプロセスが異なっており、躁状態の多様な姿を知る手がかりになるでしょう。

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まとめ

躁状態での買い物行動は、単なる浪費ではなく、双極性障害の症状として現れるものです。意志が弱いから、性格がだらしないからと自責する必要はありません。重要なのは「なぜそうなるのか」を知り、周囲とともに対策を考えていくことです。記録をつける、カードを一時停止する、信頼できる人に管理を手伝ってもらう――こうした工夫が、再発防止の手がかりとなるかもしれません。

参考文献・参考サイト

  • Goodwin, F. K., & Jamison, K. R. (2007). Manic-Depressive Illness: Bipolar Disorders and Recurrent Depression. Oxford University Press.
  • Berk, M. et al. (2007). Dopamine dysregulation in bipolar disorder. Current Opinion in Psychiatry, 20(1), 1–6.
  • Abler, B. et al. (2008). Reward system activation in manic and hypomanic bipolar disorder. Neuropsychobiology, 58(3-4), 136–144.

※本記事は筆者の調査や公開されている資料をもとに作成した一般的な情報であり、医学的な診断・治療行為を目的としたものではありません。双極性障害を含む精神疾患の診断や治療については、必ず専門の医師・医療機関にご相談ください。

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