通信制大学に通っていると、
「就活を始めたいけれど、何からやればいいのかわからない」
と悩むことがあります。
一般的な大学と比べて、大学で就活仲間を作ったり、周囲の学生から就活の情報を集めたりする機会が少ないケースもあるためです。
また、
- 「通信制大学だと就職で不利になるのでは?」
- 「そもそも通信制大学生でも新卒就活できるの?」
- 「働きながら就活する場合はどうすればいい?」
など、通信制大学ならではの疑問を持つ人もいるでしょう。
✓ 通信制大学生が就活を始めるときの基本的な流れ
✓ 通信制大学は就職で不利なのか
✓ 大学のキャリア支援や就職支援サービスの使い方
この記事では、通信制大学生が就活を始めるときに、まず何をすればいいのかを順番に整理します。
通信制大学だからといって、就活の基本的な流れが大きく変わるわけではありません。
基本的な就活の流れ
① 自己分析
↓
② 求人・企業を探す
↓
③ 応募書類を準備する
↓
④ 応募・選考
↓
⑤ 面接・内定
ただし、通信制大学生の場合は、通学型の大学生と比べて就活に関する情報が入りにくいことがあります。
そのため、最初に「何をすればいいのか」を整理しておくことが大切です。
まずは簡単な自己分析から始める
就活を始めるとき、いきなり求人サイトを眺め始める人もいると思います。
もちろん求人を見ること自体は悪くありません。
しかし、何も考えずに大量の求人を見ると、
という状態になりやすくなります。
そこで、最初に簡単な自己分析をしてみましょう。
例えば、
- これまでやってきた仕事やアルバイト
- 大学で学んでいること
- 取得した資格
- 得意なこと・苦手なこと
- 人と関わる仕事が好きか、一人で進める仕事が好きか
- 働くうえで避けたい条件
などを書き出してみます。
立派な自己分析を完成させる必要はありません。
まずは思いつくことを箇条書きにするだけでも、自分が仕事選びで重視したいことが見えやすくなります。
「やりたい仕事」だけでなく「続けられる仕事」という視点で考える
仕事選びでは、
「やりたい仕事」と「無理なく続けられる仕事」の両方を見ること
も重要です。
厚生労働省の調査によると、2022年3月に大学を卒業して就職した人のうち、就職後3年以内に離職した人の割合は33.8%でした。
つまり、この調査では大学卒業後に就職した人のおよそ3人に1人が、3年以内に離職しています。
就職後3年以内の離職率
もちろん、仕事を辞めたり転職したりすること自体が悪いわけではありません。
実際に働いてみて「自分には合わなかった」と分かることもありますし、職場環境や仕事内容など、自分ではどうにもできない事情によって離職する場合もあります。
そのため、「3年以内に辞めてはいけない」「一度就職したら長く続けなければならない」という意味ではありません。
一方で、就職してからすぐに「思っていた仕事と違った」「働き方が自分には合わなかった」となるより、就職前の段階で、自分が無理なく続けられそうな仕事なのかを考えておくことには意味があります。
例えば、
「人と関わる仕事がしたい」
と思っていても、毎日大人数の人と接する環境が負担になるのであれば、仕事内容だけでなく、職場の規模や人との関わり方、勤務時間などまで確認しておく必要があります。
反対に、
「特にやりたい仕事がない」
という場合でも、
- 「一人で集中する仕事が好き」
- 「決まった手順で進める仕事が得意」
- 「人と話すことは好きだけれど、電話対応は苦手」
など、「自分が無理なく続けられそうか」という視点から仕事を探すことができます。
仕事選びで考えておきたいこと
「やりたい仕事か?」だけでなく、
「自分の性格や得意・不得意に合っているか?」
「働き方は自分の生活に合っているか?」
「無理なく続けられそうか?」
という視点も持っておくと、求人を比較しやすくなります。
「やりたいことがない=就活できない」ではありません。
最初から完璧に自分に合う仕事を見つける必要もありません。
ただ、できるだけ自分に合った環境を選び、ある程度の期間、仕事を経験しながらスキルや経験を積める環境を探すという考え方も大切です。
通信制大学は就職で不利なの?
通信制大学で学んでいる人が、就職活動で特に気になりやすいのが、
「通信制大学は就職で不利なのでは?」
という点ではないでしょうか。
通信制大学だからといって、就職で一律に不利になるわけではありません。
ただし、企業によっては大学名や学歴が選考材料になる場合があります。特に応募者が非常に多い企業では、書類選考で学歴などの情報が使われる可能性があります。
つまり、
「通信制大学だから就職できない」
というわけではありません。
一方で、
「通信制大学であることは、どんな企業でもまったく見られない」
とも言い切れません。
公務員の場合はどうなの?
公務員については、民間企業の採用とは少し仕組みが異なります。
例えば国家公務員の大卒程度試験では、受験資格が年齢や大学卒業等の要件によって定められており、特定の大学を卒業していることが受験資格になっているわけではありません。
そのため、少なくとも国家公務員試験については、「どこの大学を卒業したか」という大学名そのものを基準に受験資格が決まっているわけではありません。
もちろん、公務員は試験区分や自治体によって受験資格・選考方法が異なるため、実際に受験する試験の募集要項は確認しましょう。
民間企業、とくに応募者が多い企業では?
民間企業の場合は、企業ごとに採用方法が異なります。
特に、大手企業など非常に多くの応募者が集まる企業では、すべての応募者と面接することは難しいため、書類選考の段階で応募者を絞り込むことがあります。
その際、企業によっては、学歴や大学名を含む応募書類の情報が選考材料になることがあります。
そのため、通信制大学生の場合、応募者が非常に多い企業では、大学名や学歴が書類選考に影響する可能性があることは知っておいたほうがよいでしょう。
ただし、これは「通信制大学だから落とされる」という意味ではありません。
企業によっては、これまでの職歴、資格、専門知識、経験、志望理由などを重視する場合もあります。
また、企業によっては、通信制大学で学んでいること自体をマイナスに捉えるのではなく、働きながら学んだ経験や、継続して学習した経験を評価することも考えられます。
したがって、通信制大学生の就職については、
公務員などの試験
→ 受験資格や試験結果などを基準として進む仕組みがある
民間企業
→ 企業によって採用基準や選考方法が異なる
応募者が非常に多い企業
→ 書類選考で学歴などが選考材料になる可能性がある
というように、分けて考えると分かりやすいでしょう。
面接では「なぜ通信制大学で学んでいるのか」を説明できるようにする
通信制大学には、
- 働きながら学んでいる
- 資格取得を目的に学んでいる
- 別の大学・学校を卒業してから学び直している
- 自分の興味のある分野を継続して学んでいる
など、さまざまな学生がいます。
そのため、面接では「通信制大学に通っている」という事実だけではなく、
「なぜ通信制大学で学んでいるのか」
「大学で何を学んだのか」
「その経験を仕事でどう生かしたいのか」
まで説明できるようにしておくと、自分の学びを就職活動で伝えやすくなります。
ポイント
通信制大学だからといって、就職で一律に不利になるわけではありません。
一方で、民間企業では大学名や学歴が選考材料になる場合もあります。特に応募者が多い企業では、書類選考の段階で学歴などが見られる可能性があります。
だからこそ、「通信制大学だから不利」と決めつけるのではなく、応募先によってどのような選考が行われるのかを確認し、自分の学歴・経験・学びをどう伝えるかを準備しておくことが大切です。
求人情報を探してみる
自己分析がある程度できたら、次は求人情報を見てみましょう。
求人を探す方法には、いくつかあります。
- 求人サイト
- ハローワーク
- 大学のキャリア支援
- 就職エージェント
- 企業の採用ページ
などです。
一つだけに絞る必要はありません。
複数の方法を使いながら、自分に合う求人を探していきましょう。
求人票で確認したいポイント
求人を見つけたら、仕事内容だけでなく、次の項目も確認します。
- 仕事内容
- 給与・賞与
- 勤務時間
- 休日・休暇
- 残業時間
- 勤務地・転勤の有無
- 応募条件
- 雇用形態
特に通信制大学生の場合、仕事と学業を両立する予定なら、勤務時間・休日・残業・勤務地などは早めに確認しておきたいポイントです。
一人で就活を進めるのが不安なら、大学の支援を使う
通信制大学では、通学型の大学と比べて、同じタイミングで就活を始める友人と情報交換する機会が少ないことがあります。
そのため、
と感じることもあるでしょう。
そんなときは、一人だけで抱え込む必要はありません。
まず確認したいのが、在籍している大学のキャリア支援です。
大学によって内容は異なりますが、
- キャリア相談
- 求人情報の提供
- 履歴書・エントリーシートの添削
- 面接対策
などを利用できる場合があります。
通信制大学だからといって、就職に関する相談先がないとは限りません。
「どんな就職支援を利用できるのか」を大学に確認してみるところから始めてもよいでしょう。
就職エージェントを利用する方法もある
自分一人で求人を探すのが難しい場合は、就職エージェントに相談する方法もあります。
エージェントでは、求人紹介だけでなく、
- キャリア相談
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 企業との日程調整
などをサポートしているサービスもあります。
ただし、サービスによって対象者や紹介される求人、サポート内容などは異なります。
「通信制大学生でも利用できるのか」「新卒向けなのか、既卒・転職向けなのか」などを確認したうえで利用しましょう。
通信制大学生でも新卒就活はできる?
通信制大学の学生でも、卒業後の進路として就職を目指すことはできます。
ただし、「新卒」として扱われる条件は、企業の募集要項や採用区分によって異なる場合があります。
そのため、応募する際は求人票の応募条件を確認しましょう。
履歴書には、在籍している大学名や学部・学科などを、実際の正式名称に沿って記載します。
通信制であることを隠すのではなく、大学で何を学んでいるのか、なぜ学んでいるのかを説明できるようにしておくとよいでしょう。
就活はいつから始めればいい?
「この時期から絶対に始めなければならない」という一つの正解があるわけではありません。
ただし、就活には自己分析、企業研究、応募書類の準備、面接対策など時間がかかる作業があります。
そのため、
「まだ応募する企業が決まっていないから何もしない」
のではなく、求人を見る・自己分析をするなど、できることから始めておくと進めやすくなります。
最初から職種を一つに決めなくてもいい
最初から一つの職種に決める必要はありません。
「人と関わる仕事」「パソコンを使う仕事」「資格を生かせる仕事」など、大まかな条件から求人を見ていく方法もあります。
実際の求人を見ることで、
- 「こういう仕事は面白そう」
- 「これは自分には合わなそう」
- 「この働き方なら続けられそう」
と、自分の希望が少しずつ明確になることもあります。
通信制大学生の就活は、まず「情報を集める」ところから
通信制大学生の就活で、
「何から始めればいいのかわからない」
と感じたら、まずは次の順番で考えてみましょう。
① 自分の経験や希望を整理する
② 求人を見てみる
③ 気になる企業を比較する
④ 応募書類を準備する
⑤ 必要に応じて大学や就職支援を利用する
最初から完璧な自己分析をしたり、志望企業を一社に決めたりする必要はありません。
むしろ、求人を調べていく中で、
- 「この仕事は自分に合いそう」
- 「この働き方は避けたい」
- 「この資格を生かせそう」
と気づくこともあります。
通信制大学生の場合、周囲の学生から就活情報を集めにくいこともあるため、大学のキャリア支援や求人サイト、就職支援サービスなどを上手に使いながら情報を集めていきましょう。
「まだ何も決まっていないから就活を始められない」のではなく、情報を集めながら自分の方向性を決めていく。
これも、通信制大学生の就活の進め方の一つです。
自分に合う仕事を探すことは、
「自分が何をしたいのか」を知ることにもつながります。





